2018年の総括―創作の転換と拡大の年

器楽曲から電子音楽を経て、
映像を伴うオーディオビジュアル作品へと
創作の手段は大きく広がりました。

ただ、自分の創作の根本にあるものは変わっていません。
それは「あらゆる境界を忘れる」ことです。

始まりと終わりの時間の境界、
作品とそれを取り巻く環境の境界、
自分と他者との境界、
あらゆるところに存在する隔たりを忘れるものを作りたい。

映像を取り入れるようになったのは、
聴覚と視覚の境界に関する段階に来たからです。
いまは、音を「視る」・色を「聴く」という二つが
同時に存在する作品を追求します。

2018年の主な作品

色―声

映像と2chサウンドのための《色―声》は、
自分の中で一つのマイルストーンとなりました。

紫、黄、青、緑、そして白と偶発的に変わっていくこの色彩を
音として聴くとしたら?という問いへの一つの答えです。

計画された記憶 18-DH

映像と8chサウンドのための《計画された記憶 18-DH》は、
意識と無意識、過去から未来をつなぐ「記憶」というものに
フォーカスしたものです。

音と映像の素材は大きく二つの種類があり、
車や電車や人々の日常的な動きを切り取った
「自分の存在する場所」に強く紐付けられたものと、
家族の声や楽器の演奏を切り取った
「自分の個人を形成するもの」を表すものに分かれます。

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